• テキストサイズ

溺れた先の光

第16章 15 訓練


『リヴァイ、さっきの顔はなに?なんか変だったの?』
馬の背にしがみついたままの状態で聞く私に「そのアホな体勢をどうにかしろ」と言う。
私は馬が止まったため無事に体勢を戻し、自分の馬へと移る。
リヴァイも自分の馬に乗ると、いつの間にか奇行種の周りに集まっていたハンジ班から「さっきのケツの固さは何だったんだ」と疑問の声が聞こえてくる。

「おそらく損傷部分を回復する時に損傷していない部分が強固になるタイプの奇行種だ。項が異常に固かった・・・コイツしか削いでねぇのに刃がもうこれだ」

そう言いながら見せたブレードが、10体の巨人を削いだ後のようにダメージを受けていた。

私たちはごくり、と喉を鳴らした。

ハンジ開発の銃も無事に使えることが分かったため、実験を終了。
私たちは今回の壁外調査から行うこととなっている拠点地の設置作業にもどることにした。
いつか、必ず来るマリア奪還の日のため、マリアのあちこちに物資を保管しておく拠点地を設置する。
ガスや刃がなくなってしまえば、いくら巨人を殺す技術が備わっていても無意味になってしまう。
マリア奪還のためにはガスや刃が補充できる場所が必要不可欠なのだ。


そのついでに、巨人の生け捕りが出来れば行うし・・・
今回の様に壁内ではできない実験があれば行うし・・・




ああ、私たち人類が巨人から一瞬で奪われたものを取り返すには何年、何十年とかかるのか。

魔法のようなアイテムでも振ってこない限り、私たち人類は壁の中から這い出ることはできないのかもしれない。



/ 86ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp