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溺れた先の光

第16章 15 訓練


あれから大した日も経たないうちに壁外調査の日程が組まれ、今日・・・ハンジが作った自動装填の銃を壁外で試し撃ちすることになっている。

索敵陣形はいつも通り運搬の位置からスタートするのは変わらず、様子を見てハンジ班と合流し銃の試し撃ちをするらしい。
巨人が大量に発生しなければいいが、そううまくいくものかと私はエルヴィンをじとり、と睨みつける。
その視線を感じだエルヴィンが「リヴァイがいる、何も問題はない」と言い切った。

確かに、立体起動装置を付けたままの二人乗りでの銃の走り撃ちも最近の訓練にはしっかり組み込まれていたし、最悪の状況を想定して、リヴァイがそのまま立体起動に移った場合の訓練もしてきた。
問題がないと言えば問題はないのだが・・・あの恰好を見られるのはなかなかに恥ずかしいものがある。
リヴァイは気にしていないようだが、私は恥ずかしいのだ。

せめてリヴァイが生け捕りにできる程度の削ぎスキルを持っていれば、こんな辱めを受けることはなかったかもしれない・・・なんて考える。
しかし・・・昨日の最終確認の会議の最後に上がったハンジの生け捕りの話題に

「生け捕りだ?殺すことに関しては自信があるが、その中間を俺に求めるな・・・残念ながら持ち合わせていない。生け捕りなんてめんどくせぇことは全部緋涙に頼め。あいつなら上手にその中間をとることが出来るだろうからな」

と興奮したハンジの生け捕り作戦をすべて私に押し付けてきたのだ。
持っていたとしても無理だ、リヴァイと言う男はそう言う男なのだ。
色々なことを思い出した私は諦めて配列につく。

位置についたはいいが、リヴァイの姿が見当たらない。
きょろきょろとあたりを見渡すと、後ろの方からゆっくりとこちらへ向かってくるリヴァイが視界に入った。

『何してんの!?もう出発なのに・・・ん?あれ・・・なんかリヴァイが大きく・・』
「馬がデカくなっただけだ・・・っち、こいつのクソに付き合ってたら遅くなった」
と今まで乗っていた馬より一回り大きな馬に乗って表れたリヴァイ。

「てめぇを乗せて走ると馬が可哀想だからな。体力も力もあるヤツに変えた」
『あっそ・・・』
「ああ?ずいぶんと生意気な態度だな・・・抱えて走ってやらねぇぞ」
『・・・エルヴィンに怒られろ!!』
「・・・てめぇ、覚悟は出来てんだろうな・・・」
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