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溺れた先の光

第16章 15 訓練




壁内へ戻ってきて報告書などの整理が終わった頃、私とリヴァイはエルヴィンと共に訓練場に来ていた。

「緋涙、とりあえずここからあそこに並ぶ的をすべて撃ち落としてみてくれ」

エルヴィンの指示通り5m~1000m位の距離にちりばめられた動かない的20個を、この場から立ったまま狙い撃つ。
全ての的が50cmほどの大きさの的だったが、私は全てを撃ち落とすことに成功した。

『ど真ん中とは言えないけど、全部行けたよ!』
「まさか緋涙にこんな才能もあったとはな・・・なら次は荷馬車に乗って移動しながら同じ的を狙ってみてくれ。ハンジ!!準備はできているか?」

馬車を率いて現れたハンジが「こっちはいつでも準備OKだよ!」と楽しそうに向かってくる。

的を元に戻した他の兵士が、信煙弾で準備完了の合図を出す。
ハンジの連れてきた荷馬車に乗った私はうつ伏せになって体をできるだけ安定させる。
私の後ろではいつの間にか乗っていたミケが銃の装填員として待機していた。

「ミケが銃を次々渡してくれるから、緋涙は撃って撃って撃ちまくっていいから!!」
ハンジが叫ぶ大きな声と共にエルヴィンの合図で荷馬車が走り出した。

うつ伏せで的を狙うため、荷止めの板が取り払われている。
初めの方は速度も遅く、的を撃ち落とすことに苦労はしなかったのだが・・・
荷馬車の速度が上がると体に撃つ悪振動も激しくなり、体が安定しなくなってくる。
時たま浮かぶ体がもとに戻る時に軽く打ち付けられる肋骨が不愉快だ・・・。

安定したタイミングで売っていはいるものの、地形に左右されるため実用的とは言えないかもしれない。
そう思いながら最後の的を狙った時に荷馬車が溝にハマり大きく浮いた

『あっ!!?』
「緋涙!!」

荷馬車から落ちる寸前でミケに腹から抱きかかえられ落ちることはなかったが、最後の的には当てることが出来なかった。
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