第4章 3 占い
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宙を舞う、蝶があなたの蜜を吸いに来る
叩き落としてしまうのはもったいない
美しいものにはそれなりの価値がある
あなたは自分の為に蝶をかごで飼うことになるだろう
手に入れた蝶のうち2匹が叩き落される
雨の中あなたは気づく
かごに入れていたものの一つが蝶ではなかったことに
壊れたかごから出てきたのは鬼であることを知る
欲しいものが一つ手に入る
落とした穴の中に自分も飛び込むことになる
男はあなたと共に穴の中の屍の上を歩くだろう
そして気づく、鬼が金棒を持っていないことに
鬼が昔蝶であった場所へ行く
そこに鬼を放してみるといい
しかしあなたは気づかない
鬼が金棒を隠していることに
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いつもそうだ・・・占い結果の内容は私には理解できない。
しかし、占われた本人はわかるようだ。
今回もやはり理解できない内容にため息をついてからついたてをどける。
『終わったよ、代金は金貨一枚・・・』
占い結果の紙を男に渡して私は掌を男に差し出す。
内容を確認した男は「面白い占いだ、ありがとう」と言って金貨一枚を私の掌にのせて立ち去っていった。
いつもは来る客の多くは身なりのいい金持ちな雰囲気を醸し出したおっさんが多い。
金貨一枚どころか10枚も20枚も置いていく人もいるくらいだ。
だから今日みたいな雰囲気の客は珍しい
マントの男の背中を見えなくなるのを確認してから私は快適に過ごせるようになった部屋へと帰った。