第4章 3 占い
・・・ある日、一人の男が「私を占ってほしい」と現れた。
もう店じまいをして帰ろうと思っていたが、顔が見えないように深くかぶった暗い色のフード付きのマントを着た男になんとなく興味がわいた私は『座って』と男を机の前の椅子に座らせた。
男は椅子に座ると深くかぶったフードを取ることなく言う
「占いに顔は必要か?」
『うん。あとは名前と生年月日、血液型も必要』
「そうか・・・」
男はゆっくりフードを外して目の間に置かれている紙に名前と生年月日、血液型を記入する。
私は記入された紙を受け取って男の顔を確認する。
『失礼します』
と私はこちらの様子を伺えないように男との間に高さ1mほどの大きなついたてを立てる。
すると男が「占っている姿は見せないということか」と呟いたのが聞こえた。
呟いた声に返事をすることなく私は本を出して能力を使う。
用意していた紙にすらすらと勝手に文字を書いていく右手。
少しして書き終わった占い結果に目を通す。