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溺れた先の光

第15章 14 壁外調査


置かれたカップを確認することなく口にするリヴァイに、驚きの表情を浮かべる3人。
「何だ・・・」
「いやー、ね!!うん、あれだよ!!」
「確認もせずに口にするとは、リヴァイはよっぽど緋涙の事を信頼しているんだなと、少し驚いただけだよ」
「ッフ・・・」

驚きの表情から一変してにやつく3人に私はなぜか背筋がゾワリとした。
「下らねぇこといってねぇで、さっさと終わらせろ・・・こっちは明日も数えきれねぇほど巨人の相手をしなきゃいけねぇんだ」
機嫌の悪くなったリヴァイが3人をギロリ、と睨む。

その後は、にやつく3人と不機嫌なリヴァイの会議が無事に終了するとやっと一休みできることに、私は胸をなでおろす。
リヴァイも先ほどに比べると疲れた表情をしてはいるが、どこか解放されて安心した表情にも見える。

『私、まだ眠くないし・・・先に寝てもいいよ』
「悪いがそうさせてもらう・・・後は頼んだ」

珍しく素直なリヴァイに、よっぽどさっきの3人の顔が堪えたのだろうと思った。











あの後、3時間ほどで目を覚ましたリヴァイと交代して、私も3時間ほどの睡眠をとることが出来た。
壁外では、私たちが一緒に睡眠をとることはない。
万が一、巨人に襲撃でもされたら対処が遅れて多くの兵を失う可能性があるからだ。

お互いに睡眠時間が少なくなってしまっても、これだけは譲れない二人で決めたルールだった。


出発の準備が終わる頃にエルヴィンが私とリヴァイの所へと荷物を持ってやってきた。
「リヴァイ、緋涙、申し訳ないが銃を1挺ずつ持って出発してくれないか」
脇に抱えたものは2挺の銃だった。
「実は、荷馬車が一つ故障してしまってね・・・積んであった補給用のガスや刃を優先させると、どうしても銃が積めなくなってしまうんだ」
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