第15章 14 壁外調査
リヴァイ班に新しい人を入れることなく、壁外調査の日を迎えた。
まぁ、時間がちょっと足りなかったとは思うから仕方ないことではあるが・・・
『なんか寂しいね』
前回までの壁外調査には5人の小隊で行動していたため、2人となると寂しくも感じる。
「死人が出なくていいじゃねぇか」
そう言われてしまえば、そうだ・・・と納得してしまう。
私たちの班からは、私がヘマをしない限り死人は出ない。
それは他の班に比べれば精神的にかなり穏やかでいられるのかもしれない。
そう言えば今年は第104期か、と訓練兵入団の時期に差し掛かっていることを思い出す。
団長をやめてからしばらくして、キースが訓練兵団教官になったと知ったのは結構最近だった。
キースの儀式が中々に見物だと噂になる程だ。さぞかし面白い儀式なのだろう・・・是非見てみたい。
クスクスと笑い声をあげると、いつもは隣にいるリヴァイが横で私の腕をどつく。
「緊張感のねぇやつだな・・・どうやら壁外で巨人のエサになりたいらしいな・・・」と睨まれた。
『ごめん、キースの事思い出したら笑えて来ちゃって』
「ああ?こんな時までハゲの事を考えるとは、よっぽどハゲが好きらしいな・・・帰ってきたらてめぇの頭を削いでやる」
『違う・・・全然違う・・・』
隣で不機嫌な顔をしながら前を向くリヴァイに、私の否定の言葉は届かなかった。
壁外調査開始の声がエルヴィンから発せられる。
またあの気持ち悪いやつらを相手にしなきゃいけないのかと、私はため息をついて動き出した列に馬を走らせた。