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溺れた先の光

第13章 12 資金調達


先ほどの温かい言葉で温まった心は一気に氷点下まで落ちていった。

中に入った私は左奥に座って他の二人が来るのを待つ。
先に入ってきたのは私の荷物も持っているリヴァイだった。

「そっちに置いておけ」

と持っていた2つの荷物をどちらも投げて渡すと、ドカッと隣に腰掛ける。
最後に入ってきたエルヴィンは私の向かい側の席へと座り、閉じられたドアが馬車の出発を告げる。

「リヴァイ、こちらも空いていたのになぜそこに座ったんだ?」

エルヴィンがリヴァイにそう聞く顔が、私にはなぜか子供がいたずらをするときの様な顔に見えて仕方なかった。
チラッと隣のリヴァイに視線を向けるも、それが合わさることはなく「何だ・・・俺と一緒に座りたかったのかエルヴィン・・・」と返した。

その返事にエルヴィンは口元を押さえて笑いをこらえている様子・・・

今の会話のどこが面白かったのか、私にはさっぱりわからない。
笑われた本人は眉間にしわを寄せてかなり不機嫌だ。

私はただひたすらに願った・・・
何とも言えない空気が漂う馬車が早くローゼの調査兵団本部につくことを。







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