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溺れた先の光

第14章 13 変わる組織




あの後無事に本部についた私たちはエルヴィンにも手伝ってもらい、50cm四方の木箱4つにびっちり詰まった金貨をキース団長の元へと運んだ。

それを見た団長が歓喜したのは言うまでもないだろう・・・。
その後に占ってほしいといった団長に、『特別ですよ』と言ってタダで占ってあげたのはいいが・・・まさか次の日には団長が、次の団長にエルヴィンを指名して調査兵団を退く結果になるとは思っていなかった。



「オイ・・・キースの占いをしたんだろう?どんな結果が出たらこんなことになるんだ」
会議やら何やら色々と組織変更が一気に行われ、すべてが終わって部屋に戻ってくるとリヴァイがソファーに腰掛け聞いてくる。

『あんまり覚えてないんだけど、うーんと・・・
“もうこの家はあなたの家ではない
次の家主に引渡して少し旅行へいくといい
そこで次の家が見つかるだろう
貴方は新しい家からこの家を見守ることになる“
って書いてたかな・・・あとは覚えてないや』

「家ってのは調査兵団のことか、そして次の家主がエルヴィンか・・・」
リヴァイは納得した顔で私の顔を見ると「どうやら占いなしでもエルヴィンはこの事をわかっていたみてぇだがな」と、会議で現在の班長にだけ配られた紙を私へと差し出す。

それを受け取って中を確認すると、会議で言われていた通りリヴァイが兵士長、ハンジとミケが分隊長という昇格内容が書かれていた。

「それもあいつの中では決まっていたことだろう、面白いのは次のページだ」

リヴァイに言われた通り次のページへと目を通すと、各班の割り振りまでが決まり、名前がびっしりと書き込まれていた。「あいつがどれだけ多くの事を考えているのかはわからねぇが・・・俺の直属の部下は現在お前ひとりだけだ」

エルヴィンの下にあるリヴァイ兵士長の欄に目を通すも、すぐ下には私の名前だけが記載されていて他は空白だった。

『なにこれ、ハンジの所は補佐にモブリットがいて、小隊もいっぱいあるじゃない。ミケもそうだし・・・』

その愚痴に「さぁな・・・明日お前から確認しとけ。丁度昼にお前を連れて部屋に来るように言われている」と言って立ち上がり奥の部屋へと消えていった。


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