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溺れた先の光

第11章 10 壁外(リヴァイ)



ふと、思い出した占いに「確かに地獄だな・・・」と声が漏れる。


「俺じゃなく、お前がな・・・緋涙・・」
立ち上がり苦しむように喘ぐ緋涙の体を正面から抱上げそのまま、また床に腰を下ろす。

『リ、ヴァイ・・・おかしく、なりそうだ・・・はぁ、なんとか・・・して―――』

向き合う俺達の間に沈黙が流れる
ポタリ、と緋涙の涙が落ちる音が聞こえた気がした・・・

「楽にしてやる・・・」

俺の言葉に安心したように目を閉じる緋涙に、吸い込まれるように唇を重ねた

ただそれだけの行為がこいつの体を快楽で震わせる
俺の背中に手をまわしてしがみつく緋涙に心が満たされていく感じがした。

角度を変えて重ねる唇が少しの隙間を生む・・・
離れない様に緋涙の頭を手で押さえつけてから中に舌を差し込む

逃げる緋涙のソレを追いかける度に俺の方がおかしくなりそうになる・・・
捕まえた舌を吸い上げると緋涙の身体が大きく反応した

ゆっくり唇を離すと、虚ろな目で口の端からだらしなく唾液を垂らす緋涙が視界に移る

「これだけでイったのか・・・?」

屋敷から脱出してもう2時間は経つ・・・
なのに全身が性感帯にでもなったような異常な反応に俺は少し戸惑う

だが目の前でぴくん、ぴくんと体を揺らす緋涙に、すぐにそんなことはどうでもよくなった

口から垂らした唾液を下から上へと舐めあげ、再び唇を重ねる
緋涙も慣れてきたのか、自分から俺の舌へとソレを絡ませてくる

そして口付けただけで見せたこの反応に、俺は好奇心がわく・・・
「緋涙よ・・この様子なら“下の口”はもっと気持ちいいかもしれねぇな・・・」
少し離れた互いの唇を繋ぐ唾液が、俺をまた引き寄せる

包んでいたクロスがはだけ、隠す意味もなくなってきた体を床へと寝かせて肌をさらす。
見えてくる破かれた服に、あの男の行為が脳裏に浮かぶ
途端に好奇心がドロドロと嫉妬に変わっていくのを感じた

「とりあえず・・・ここは綺麗にしてやらねぇとな・・・」
ご丁寧にも綺麗にソコだけ刃物で切り取られたズボンが、あのクソ野郎の変態さ加減を露呈させている
・・・生憎、俺にこんな趣味はねぇ・・・


心が嫉妬で満たされていくのがわかる
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