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溺れた先の光

第10章 9 事件



リヴァイの顔を確認した瞬間、上に乗っていた男の重みがなくなる。
そして開いた部屋の入り口には警備の人が2人転がっていた。

「どういう事だ、説明しろ」

ボロボロにされた服が意味をなさない状態の私にリヴァイが自分のジャケットを被せてくれたが
『んっ、・・・』
まだきれない薬の効果と先程まで与えられた刺激のせいか、異常に敏感な身体は布が擦れるだけでも反応してしまう。
それに船酔いにも似た気持ち悪さから身体も満足に動かせない。

こちらの様子を見ていたリヴァイが返事のない私に近づき全身に視線を這わす。
「汚ねぇな、とりあえず帰ったら体を綺麗に洗ってやる。・・・コイツらを片付ける、少し待ってろ」

離れていくリヴァイを目で追うと、気絶した依頼主の男を部屋にある小さな窓から投げ捨てようとしていた。

『まっ、て・・・そんなことしたら、憲兵に、』
「殺せば誤魔化せる」
とんでもない返事が返ってきたことに私はさらに具合が悪くなる

『シエロ、記憶消去・・・スキャン』
「ガイトウ1、ページヲヒラキマス・・・マスター」

体はまだ動かせないがなんとかなりそうだ

クールな雰囲気のボブヘアーの女のページが開く。
『記憶消去の使い方は?』
「タイショウニフレルコトデ、キオクヲヌキトリ、ダンガンニデキマス・・・マスター」

私はすぐにリヴァイへ声をかける

『倒れてる人、全員私の側に連れてきて』

シエロの説明を聞いていたリヴァイは何も言わず私の寝ているソファーに頭を向けて並べる。

手を伸ばして其奴らの頭に手を当てると、映像が見える。
面倒になった私は今日ここへきてからの記憶を全て抜き取ることにした。

頭から手を離すと、カランッと弾丸が床に転がる

『シエロ、この弾丸の使い道は?』
「ヌキトッタキオクヲ、ダンガンニシタラ、ソレヲウチコムコトデ・・・タシャニキオクヲウツスコトガデキマス、マスター」

それを聞いたリヴァイがすぐに弾丸を拾う。
「なら、本部に帰って地面にでもぶち込んでおけば証拠は無くなるわけだな」
『そういうこと、になるね・・・』

弾丸をワイシャツの胸ポケットにしまうと「なら、ずらかるぞ」と言って私をテーブルにかけてあった大きなクロスで包み込む。

『ぁっ、ちょっ、と・・・気持ち悪いから、そっと・・』
「喘ぎたきゃ好きなだけ喘げ、俺しか聞いちゃいない」

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