第10章 9 事件
「おいおい、あれ見ろよ・・・どうやったらあんなに速く立体起動を操れるんだ・・・」
「そんなのリヴァイ班長と緋涙さんだからできることだ・・・おれ達がやろうなんておもっちゃいけねぇ」
と下で兵士たちが喋っているのがわかる・・・
私は今・・・
全力でリヴァイと鬼ごっこをしている
捕まれば明日もまた部屋の掃除が私を待っている。
時間まで捕まらなければ・・・今度こそリヴァイに部屋の掃除をさせることが出来る。
~パシュッ・・・!!~
ガスはまだ残っている・・・後ろにリヴァイはいない・・
少し息を整えるために木の上で膝をついた瞬間、私の範囲にリヴァイが入ってくるのがわかった
『あ!!やばっ!!?』
急いで立ち上がってアンカーを出して逃げるが、100mしかないこの距離ではいくら能力を使っていたとしてもリヴァイの前では役にたたない・・・
「どうやら明日の掃除もてめぇがやってくれるようだな・・・」
リヴァイの脇に抱えられた私が項垂れて返事をしたのに3秒もあっただろうか・・・
毎日訓練の最後に行われるこの鬼ごっこの度に私は、立体起動装置を装備したリヴァイは人間じゃないと思う。