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溺れた先の光

第10章 9 事件




あれからリヴァイによる特別訓練ならぬ、ただのいじめにも似たしごきをうけている。

どうやら次の壁外調査が近いようで、その壁外調査に私をリヴァイの班員として連れて行くらしい

ブレードの使い方なんて、持ち方一つで怒られるし・・・
角度が悪くて模型の項をリヴァイの基準まで削ぎ落せなかったりすると容赦なく拳が飛んでくる。
・・・とはいっても、訓練中でも常に赤と青の能力は使うように言われているため当たることはないのだが。
「避けたら躾にならねぇだろうが・・・」と言われた時には半分死を覚悟した。

訓練の中でも一番厳しかったのは立体起動装置の使い方だった。

最初のうちは気づく前にガスが切れたら拳が飛んできた。
だんだんとガスの残量を感覚で把握できるようになると、次はガスのふかし方の指導が始まった。
ガスを出す勢いが足りなければどつかれ・・・
多すぎてもどつかれ・・・
必要のないところでガスを出せば、それもどつかれる。

口で指導されるわけじゃない、すべてリヴァイが実際にやっているところを見て覚えることでしか技術を得ることが出来ない状況に普通の人間なら根を上げるか、すでに死んでいるだろう・・・。

そんな毎日が2か月ほど続いた頃には、リヴァイから拳が飛んでくることは無くなっていた。

「2ヶ月か・・・悪くない」
とお褒めの言葉をいただいた時には涙が出るほど嬉しかった。

エルヴィンや、あれから少しだけ仲良くなったハンジからも褒められて、私は調査兵団として今ここにいることに少しずつ生きがいを感じていた。


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