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溺れた先の光

第9章 8 服従


その様子に少し眉間にしわを寄せてこちらの様子を伺っているリヴァイに私は話を続ける。

『この本の名前はシエロ。人の顔写真と読めない文字が一人一ページずつ、図鑑みたいになって載ってる。“ユース”で指定したページの能力を使うことが出来るようになっていて・・・顔写真がついているページの能力は基本一度の開本で一種類まで。同じ能力の回数制限はないけど、違う能力を使いたいときは一度本を閉じなきゃいけない』

そこまで喋るとリヴァイが口を開く
「しおりを挟んでいただろう、あれはどういうときに使う?」

『顔写真のページは一種類までだけど、本の後ろには基本能力を使うためのページがあるの。それは何種類でもつかえる。だけど、数種類の能力をいっぺんに使うときはしおりを挟んでおかないと使えないようになってるの』

少し考える素振りを見せるリヴァイは次に「基本能力とはなんの能力だ」と聞いてくる。

『それは、私も詳しくはわからないし・・・説明もしづらいから実際に見て理解して』

少し姿勢を直したリヴァイが「見せてみろ」とだけ言う
私は基本能力のページにある七色に分けられているページの青いページを開いて能力を使う。

『私は一旦部屋を出るから、リヴァイは部屋で何かしてみて。私にわからないようなところにモノを隠すとか、簡単でいいかな』
と言っていとど部屋を出て扉の前で待つ。
青の能力はネンを広げた範囲の中にあるものを、まるで肌で感じているような感覚でわかるって感じの能力。
今の私には100mが限界だが、訓練することで範囲を広げることが出来るらしい。

ドアから顔を出したリヴァイが私を呼ぶ。

「俺がこの部屋で何をしていたのかわかるのか?」
『わかるよ、そう言う能力なの・・・』
と返事をしながらたくさん詰まっている本棚から、先ほどリヴァイが一人部屋の中でいじっていた本を手に取る。

『この本に机にあった紙を挟んでしまったでしょ?』
本の間から一枚の紙を抜き取り、それを見せながら私はリヴァイと聞く。
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