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溺れた先の光

第9章 8 服従


中へと入ると、部屋は二つあるようだ。
入ってすぐの部屋には大きな机とそれよりも一回り小さな机が適当な距離で並ぶ。
壁側には本がびっしりと詰まっていて、どうやら執務室のようだ。
ドアの左側には4人ぐらいが座って話せる談話スペースがある。
リヴァイはそこに座ると「隣の部屋も見て来い、てめぇの必要なものは明日揃えに行く」と言った。

私は言われた通り、部屋の奥にある扉から隣の部屋へと足をいれる。

『え、・・・』
ドアを開けて見えたのは隙間があいているものの、並んでいるベットだった。

思わず頭を振って意識を紛らわせてさらに奥へと進むと、洗面室とトイレ、シャワー室がついていた。
見るからに入ったばかりのペーペーが入れるような部屋ではない。
リヴァイは実は偉い人なのか・・・?

硬い表情で私はリヴァイの元へと戻る。

「なんだその顔は?不満でもあるのか?」

偉そうにソファーへと腰掛けてこちらを見ているリヴァイに私はゴクリと喉を鳴らす。

『同じ部屋で寝るの?はずか・・・』
「てめぇの事は俺が責任を持つと言ったはずだ。人攫いの件もそうだが、俺はてめぇのその変な能力の事を完全に信用したわけじゃねぇ。俺にとって都合が悪くなれば、その時は責任を持って俺がお前を殺す」

ギラリと光る眼光が私の目を射抜く

もう、こいつの前では隠せない・・・
その目に私は負けを認めてしまった。

リヴァイには、勝てないと


一度視線をそらして、呼吸を整える

そして私はリヴァイの向かい側のソファーへと腰を下ろす。

『私もこの能力をすべて把握しているわけでも、使いこなせるわけでもないんだ・・・テイク、』

リヴァイの前に右手を差し出してシエロを出す。
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