第9章 8 服従
「うんうん!!会いたかったんだよー!!リヴァイが直々に教育してくれるみたいじゃない?うらやましいよー!!!いやーうらやましい!!」
物凄い笑顔でマシンガントークを炸裂させるこの女?は一体何者なのか・・・
返事をする暇を与えられることなく、私はこの女?の話に1時間ほど付き合わされることとなった。
マシンガントークの女?がやっと一息ついて自己紹介を始めた
「自己紹介が遅れたね!私はハンジ・ゾエ、班長をやっている。君にも期待しているからね!!色々とよろしく!!」
『あ、ああ・・・私は緋涙。よろしく・・・』
ペコリと軽く頭を下げると、その頭に手を乗せられ頭を戻すことが出来なくなった。
『何してんの・・』
犯人はリヴァイ
やっと迎えに来てくれたのだろう。
マシンガントークをずっと聞くよりは、大した喋らないリヴァイの方がマシだと思ったのだが・・・
「ハンジ、てめぇの長ったらしい話に付き合うほどこいつは元気じゃねぇ。今日ここへ来たばかりだ。巨人の事で埋め尽くされてる脳みそを寄せて、空気を読むって項目を増やしておくんだな。仮にも班長だろう?こんなんだと班員がかわいそうになるな」
と頭上で喋るリヴァイに前言撤回したのは言うまでもない。
やっとどかされた手から頭を上げると、首根っこを掴まれ私は引きずられるように食堂を後にした。
食堂を出てからはすぐに手を放してもらえたため、私は前を歩くリヴァイの後ろを同じようについていく。
何処へ向かっているのかはわからないが、雰囲気から察するに兵士の部屋が並んでいるようだ。
階段を上って2階の一番奥まで来ると周りの扉とは少し作りの違う扉の前でリヴァイが止まった。
「ここが今日から俺達の部屋だ。もう掃除は終わっている、感謝しろ・・・清潔な部屋を使わせてもらえることにな」
『は?』
“俺達”と言う言葉に思わず声が漏れたものの、リヴァイに空けられた扉の前に広がるのは眩しいほどに綺麗な部屋だった。
『なんという・・・美しさ。感謝します・・・』
綺麗な部屋に私は流れるように感謝の声を述べた。