第8章 7 交渉(リヴァイ)
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見たことのないモノにあなたは驚く
だがそれを受け入れなくてはならない
大雨は突然やってくる
今度は間違ってはいけない、傘に入れる人数を
見た目よりもずっと丈夫な刃にあなたは魅了される
磨けば磨くほどに輝く刃はいつしか特別なものになるだろう
だが、磨き方が変わってしまうのは良くない
それはあなただけのモノなのだから
目を離した隙にあなたの半身が奪われる
助けても地獄、その後も地獄
誘いに乗るか乗らないか・・・
犯人は壁の真ん中の男だ
壁の向こうで事件が起きる
大きな影に隠れて小さな影が動き出す
それは城の門を壊して消えていく
直せない門に、あなた達は住処を奪われる
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内容を確認した俺は緋涙へと視線をむける
「これが早ければ3ヶ月以内に起こる未来か・・・?」
『まぁ、そうだね。だけどもう一つは今始まってる可能性が高いかなぁ・・・』
項垂れるようにそう言った緋涙に俺はもう一度結果に目を通す。
だが、ここは地下だ・・・雨が降るとは思えない。
すると緋涙は椅子から立ち上がり部屋の中の物を壁側へと移動させ始めた。
「何してんだ・・・」
『その結果にある“大雨”が降りそうだなぁ・・・って』
全ての物を壁側に移動したあと、手の上の本を一度仕舞ったヤツは俺に「そこに居たらある意味濡れるよ」と言う。
「濡れるのは好きじゃねぇ、椅子はてめぇが片付けろ」
しぶしぶ立ち上がって緋涙の隣へと向かう
『さて、どうしたものか・・・』
考える素振りで天井を見つける緋涙。そしてまたあの本を出現させると、ページをめくってしおりを挟んでいく
『ちょっと、玄関のドアを開けてきてくれないかな・・・その後の選択はリヴァイ、あなたの好きにしな。この占いのいいところは、予言を回避できるところなんだから・・・さぁ早く』
俺の背中を押して緋涙はいう。
今、これから何が怒ろうとしているのか・・・理解しきれない状況に俺は苛立ちを感じながら入ってきた玄関のドアを開けた。