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溺れた先の光

第8章 7 交渉(リヴァイ)



しばらくついていくと、地下街にいた時でも足を踏み入れることのなかった場所へと入っていく。

こんなところで化け物を飼っているのか
それとも別の目的があるのか・・・

占い師の背中を見ながら色々な事を考えるが、建物の中に入っていくヤツに「こんな普通の住宅に化け物・・・か?」と声をもらす。

占い師はこちらに顔を向けると『見られるとまずいから早く』と言って俺を急かした。


一つの部屋へと入っていくヤツに、仕方なく俺もついてはいる。

想像していたよりも中は綺麗に掃除がされているようで、埃をチェックするも指にソレはつかない。
「ほぅ、悪くない・・・」
俺は気分が良くなるのがわかった。

占い師が部屋の真ん中にある椅子に腰かけ、目の前の小さなテーブルに肘を立ててこちらを見ていた。

『潔癖症なの・・・?気が合いそうだね、まぁとりあえず座って・・・』

向かい側の椅子へと座るよう目配せをする。

とりあえず向かい側に腰掛けると、占い師は一枚の紙を俺の前においた。

俺は占われたときにイザベルが書いていた紙だった。

『とりあえず、占ってあげる。お金は取らないから安心して・・・名前と生年月日、血液型をその紙に書いて』

占い師はそれだけ言うと右手をテーブルの上に乗せる。

先ほど見えていたよりもはっきりと見える本に俺は少し驚きながらも、紙に必要なことを書いていく

『これね、私の超能力みたいなもんでね・・・実態がないの。だから意図的に見えづらくしたりしてるんだけど・・・。こうやってバレたのは、あなたが初めて』

苦笑いを浮かべながらそう説明する占い師に、書き終わった紙を渡す。

『リヴァイっていうのね。私は緋涙・・・まぁよろしくね』

簡単に挨拶をした占い師・・・緋涙は右手に浮かぶ本に挟んでいたしおりのページを開いて『ユース』と言う。

すると本から煙がもくもくと流れ出して緋涙の右手へと覆いかぶさる。

完全に右手を覆い隠す形になったところで、その煙から軽快な爆発音がする。

目の前に見えたのは気持ち悪りぃ化け物が緋涙の右手にふっついている気味の悪い光景だった。

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