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溺れた先の光

第8章 7 交渉(リヴァイ)


「もうこの道は通って帰れれねぇな・・・」

ヤツがいなくなった後の地面を想像して俺は吐きそうなくらい気分が悪くなった。



しばらくすると一本の大きな木の根元に机を広げて客の相手をしているあの占い師の姿が見えた。

並んでいる客もいるため、とりあえず人が引くのを待ってから話をかけに行こうと、俺は少し離れた場所で様子を伺うことにした。

しかし、俺はすぐに違和感を感じて占い師を凝視する。

離れているからよくはわからないが、占い師の手元だけがなぜがぼやけて見える。
そして気づいた
前に使っていたついたてがないことに

そう、占い師は隠すことなく堂々と人前で占いをしていた。

あの時は確かに隠すようについたてを立てて占いをしていたはずだ。

その後も俺はついたてをせずに占いを続けるヤツから目を離すことなく人が引くのを待った。

2時間ほど経っただろうか・・・
人の気配に俺は占い師から目を離し、そちらへと視線を向ける。

「君もここにいたか」

エルヴィンが疲れたような表情で立っていた。

「なんだその顔は」

そう聞くと「少し絡まれてしまってね、さすがにあの人数は疲れたよ」と腰に手を当てながら言った。

やっと客もいなくなったタイミングで俺とエルヴィンは視線を合わせて頷くと、占い師の元へと向かう。


『今日はもうおしまいだよ・・・あれ、二人は知り合いだったの?』

机を片付けていた占い師がこちらへと顔を向けるとそう言った。
どうやら俺達の事を覚えてるらしい・・・

「それなりに時間が経っていると思ったが、よく覚えていたね」
隣でエルヴィンが占い師へと近づく

『まぁ、占い結果がなんか重なって見えてね。・・・・あれ当たってた?』
占い師はニッコリと笑ってエルヴィンに聞く・・・

「ああ、当たっていたよ。・・・よかったらこれから地上で食事でもどうかな。もちろんご馳走させてもらうよ?」

エルヴィンは占い師にそう言って手を軽く差し出す


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