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溺れた先の光

第8章 7 交渉(リヴァイ)


とりあえず前に会った場所へと行ってみることにした。

あの時は地下街でもかなり奥の方だったと記憶を思い返しその場所へと向かう。



目的の場所にはついたが、やはりあの占い師はいなかった。

近くを歩くヤツに聞いて回るしかない、と俺は仕方なく近くにいた男に声を掛けた。

「オイ・・・」
「なんだコラ!!誰にむか・・・リリリリリリ!!!!リヴァイ!!!?何でお前!!?戻ってきたのか」

汚ねぇ恰好をした男は俺の顔を見るなり尻餅をついてビビりまくっている。
地面に座るとは汚ねぇヤツだ・・・
俺はイラついて舌打ちをしてから男に聞く

「占い師を探してる。知ってることがあるなら全て教えろ」

尻餅をついていることで見やすくなったヤツの顔を睨みつけてやると、男は素直に喋りだした。

「あの占い師は同じところでは絶対に占いをしない。毎回場所を変えて占いをしている。
あとは、・・・お前と敵対してたグループが“東洋人”ばかりを狙って貴族に売りさばいてるって噂があってな・・・」

そこまで話すと男の顔色が悪くなる

「ほぅ・・・それで?」

何時までも喋りだそうとしない男に俺は一歩近づく

「そいつらが、占い師を狙ってるって聞いて「あーもうおしまいだな」って・・・」

またも黙りだす男に俺はさらに近づく

「てめぇ、何回も言わせるな・・・殺されてぇのか?」

「占い師を狙ったヤツら皆、誰が誰だかわからねぇ位ボコボコされて広場に積まれてたんだよ!!!ありゃ、人ができることじゃねぇ!!占い師はバケモンを飼ってやがるんだ!!!」

興奮した様子の男が口にした内容は、地下街じゃよくあることだ。
だが、この怯えようはおかしい・・・

「今、占い師がどこにいるか知ってるか?」

しゃがみこんで視線の高さを合わせ、俺は男にまた問う。

「た、たぶん東の枯れ井戸の方だ・・・今日はそっちに行くやつらが多い・・・。」

その言葉を聞いて俺は立ち上がり、男に背を向ける。

「次に会うことはないから言っておいてやる。・・・小便まみれになった服は臭いが取れずらい、てめぇのこれからの人生への影響を考えるなら・・・・さっさと捨てろ。」

そういって俺は振り返らずに小便野郎の言っていた枯れ井戸へと向かう。

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