第2章 1 知らない場所
『ッ!!!・・・はぁ・・はぁ・・・』
息苦しさに飛び起きるように目を覚ますと岩肌に囲まれた暗い空間の中にいた。
立ち上がり少し移動してみたが、空は見えない・・・
しかし街灯りのようなものはあって
ここは大きな洞窟で
そこで暮らしている人がいるということが分かった。
自分がいた場所は小高い場所だったようで
街灯りの方へと足を進めると人の声が聞こえてきた。
私はなぜか反射的に気配を消して
物陰に隠れ、人の話し声に耳を澄ませた。
「最近はリヴァイの野郎が調子に乗ってるみたいでよ」
「ああ、あの目つきの悪いチビか、あれには困ったもんだ」
その後も二人の男の会話に耳を澄ませていたが、結局分かったのは“リヴァイ”と言う男が目つきの悪いチビで調子に乗っているということだけだった。
そのまま気配を消しながら街の闇に溶け込む
光の射さないこの場所は気配を隠しやすくていい。
なんでこんなことできるんだろうか・・・
私は疑問に思いながらも勝手に動く体に気持ち悪さは感じなかった。
しばらく街の中を見て歩くと、使われていない建物がいくつも並ぶ場所へとたどり着いた。
人の気配もなく、人も寄ってこなさそうな場所だった。
『汚いけど・・・しばらくはここで様子を見よう』
一人呟いて、これからお世話になる部屋を選ぶことにした。