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溺れた先の光

第8章 7 交渉(リヴァイ)


「上三つは終わった予言だ。最後のがこれから起こる予言ということだろう。リヴァイ、君のも上三つが終わっている」

エルヴィンの言葉にもう一度占い結果に目を通す

「俺は鬼か」
「そう言うことになる。だが間違いではないな」

と少しふざけた笑みを浮かべて、また俺の持つ結果に視線を落とす

「私の三つ目の文だが、金棒とは何をしめしているのかわからない。だが、リヴァイの結果を見ると時間はかからなそうだ。手がかりはどうやら地下街にあるようだし、善は急げということで・・・今から行ってみないか?」

エルヴィンの言葉に「わかった」とだけ返事をしてヤツの占い結果を返す。

「下に馬車を用意すると 」と言って走っていく背中に視線がいく。

一息ついて壁から背中を離し、1人歩く廊下で疑問が浮かぶ

鬼=俺が金棒を隠す意味はなんだ?

いくら考えてもその意味がわからない。

外で準備を済ませたエルヴィンと共に馬車に乗り込むと同時に、考えることをやめた。







馬車を走らせてからどれくらい時間が経っただろうか

地下街につくと、もう何年も来ていないような感覚になる。

1年も経ってねぇのに、と久しぶりの地下の様子に思い出すのはあいつらと過ごしたこと

「リヴァイ、あの占い師を探そう」

少し後ろを歩いていたエルヴィンが言う

「占ってもらって、運が良ければ“金棒”の場所がわかると?」

振り向かずにそう聞くと「いや、」と返事が返ってくる。

思った答えじゃなかったことに俺は脚を止めてエルヴィンの方へと体を向ける。

「君は、不思議だとは思わないか・・・?」
「何がだ」

「こんな治安の悪い地下街で、なぜ“東洋人”が平然と占いなんかできるのか」

確かに・・・
エルヴィンの言葉に、俺は今更ながら思った。

“東洋人”なんて売ればかなりの金になる
それなりに整った顔をしてたはずだ・・・
体がゴツイわけでもない
なんの変哲もないただの女が・・・なぜ

考え込む俺に「決まりだ、占い師をさがそう」
ニヤリと笑うエルヴィンに頷いて返事をする。

俺達はこの場から二手に分かれて占い師を探すことになった。
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