• テキストサイズ

はちみつレモン【HQ】

第4章 3回目のバレンタインデー《瀬見英太》




遅くなっちまったけどまだ起きてるのか?

玄関の扉を開ければ俺のスニーカーの
隣に並ぶ知花の小さなブーツが目に入る

一緒に暮らすならそれが日常になる訳で…


あぁ…緊張してきた…

一つ息を吐いて家の中へと進む




「知花?ただい…ま」

ソファに座る知花の顔を覗き込めば
すぅすぅと寝息を立てていて…
ホッとしたようなガッカリしたような


気ぃ抜けた顔だな…
眠る知花の顔を見ればフッと笑ってしまう

何か拍子抜けしちまった…
風呂にでも入ってくるかな…




「…知花?そろそろ起きろ?」

声を掛けると知花はゆっくりと目を開けて
寝ぼけ眼のまま俺を見つめそしてふにゃりと笑う

『…あっ…えーたぁ…おかえり…』

その笑顔に俺もつられて笑う


「ただいま…ごめんな…遅くなった」

『ううん…私も我儘言ったし…ごめんね』

やっぱ可愛い…
約二週間ぶりの彼女の笑顔に改めてそう思う


俺を見つめる知花の瞳はいまだ潤んでて
頬もほんのりピンク色に染まってる

ほら…言わねえと…
頭の中のオレがそう叫んでいるけど
知花から目が離せなくて…


『…えーたぁ…ちゅうしよ?』

「……っはい?!」

『…ねぇ~早く』

そう強請って瞼を閉じる知花のキス顔に心臓が跳ねる


キスなんかもう何度もしてるのに
今さらどうした俺…

別の緊張も相まってドキドキしながら知花の
小さな口唇に自分の口唇を重ねる


んっ?あれ?

「知花…お前…酒飲んだのか?」


/ 55ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp