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はちみつレモン【HQ】

第7章 先輩✰後輩《岩泉一》




『あっ…いや…違っ…その…』


一瞬で顔に熱が集まるのがわかる…
自分の発言がとてつもなく恥ずかしくて
焦って何を言ってるのかもわからなくなって…



『…すみません…しっ失礼します…』

岩泉先輩から視線を外し慌てて立ち上がり
逃げるように踵を返せば「っちょっ…待て…」と
もう一度腕を掴まれる






「……村井が…好きだ…

だから…その…期待…していい…つうかしろ」


岩泉先輩の突然の告白に驚いて思わず立ち止まる


…へっ?!…好き…?私を…?

聞き間違えたかと振り返れば

「言っとくけど…冗談でこんな…
小っ恥ずかしい事言える訳…ねえから…」


見上げた岩泉先輩の顔はまた真っ赤に染まっていて
その表情だけで真っ直ぐな気持ちが伝わって
胸がきゅうっと締め付けられる


嬉しい…

私も…岩泉先輩の事……


『…えっと…あの…はぃ…』

でも胸がいっぱいで小さく頷いては俯く
ちゃんと伝えなきゃダメなのに…



『…あの…岩泉先輩…

私も…先輩の事…大好きです!!』


そう告げると先輩は私を更に引き寄せて
逞しい腕の中に包んでくれる

岩泉先輩の腕の中は大きくて温かくて
それだけで一生分の幸せを使い果たした気分だった




『…岩泉先輩?実は私も…あの日…』

返してもらったタオルを見つめながら
先輩のタオルを拾っていた事を告げる

『私も…ずっと返せずにいたんです…
…ごめんなさい…』


すると岩泉先輩はフッと笑いながら
俺らって似た者同士なのかもなって
頭を撫でてくれる



「タオル返さなくていいぞ…そのまま貰っとけ
俺はこっち…やっぱ返してもらうから…」


そう言って私の手からスルりとタオルを取りあげる

少年のように笑う岩泉先輩の笑顔が
夏の太陽みたいに眩しくて私もつられて笑った





fin.


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