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【R18】Morning Glory Fizz【赤井秀一】

第17章 慣れ




いっぱい泣いて
結局安室さんのハンカチを
借りて涙でびちょびちょにした


気持ちが落ち着いた頃


安「立てますか?」


安室さんに支えられて
ベンチに移動した


安「まさか、ベランダから
脱走するとは思っても居ませんでしたよ」


そう言いながら
安室さんは自動販売機で買った
缶コーヒーを渡したくれた


『また…私の事連れ去るんですか』


カチャっと音を出して
缶コーヒーを開ける


安「今夜帰る家が無いなら
連れて帰えりますけど、来ますか?」


『…なんで…』


安「どうやら、一緒に住まわれている
沖矢昴という男と喧嘩でもしたのかと
思ったので…当たってましたか?」


『…酷い事を言ってしまったんです』


手に持っていた缶コーヒーに
口を付けて喉に流し込んだ


安「それで貴女は相手を
傷付けたと思い
その場から逃げて来たんですね?」


何も言えなくて俯いた


『…酷い事を言ってしまった時
どうすればいいんですかね…』


安「簡単ですよ、
謝ればいいんです」


そう言って安室さんは
優しく頭を撫でてくれた


子供でもわかる事だ


逃げる事ばかり考えて
現実から目を背けて


私は最低だ…


『…謝って来ます』


安「その方がいいでしょう
それに、僕は貴女の悲しい顔は
好きじゃありませんから」


送りますっと言い
安室さんは車を出してくれた


『安室さん…』


安「何ですか?」


『このまま連れ去らないんですか?』


窓の外の流れる景色を見ながら言う


安「強行突破は駄目だと
分かりましたので…
あと、先程も言いましたけど
葵さんの悲しい顔は
好きじゃありませんから」


そう言いながらニコッと微笑んだ


工藤邸の前に着く


『…有難うございました』


安「いえいえ、
今度、喫茶店ポアロにも
顔を出してくださいね?」


『…はいっ』


そのまま安室さんの
車が見えなくなるのを確認すると
工藤邸の玄関の扉に手を伸ばした


するとガチャっと勝手に
扉が開いたと思ったら
変装を解いた赤井さんが出てきた


赤「おかえり」


『た、ただいまです…あの…』


赤「とりあえず、中に入れ」


『…はい』






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