【R18】Morning Glory Fizz【赤井秀一】
第17章 慣れ
『哀ちゃんは何も悪くない』
抱き寄せたまま
哀ちゃんの頭を撫でた
そう、哀ちゃんは悪くない
悪いのは私がこの世界を
知り過ぎている事だ
『哀ちゃん、あんまり
抱え込まないでね
何かあったら私に相談して?
お姉ちゃんの代わりには
なれないかもしれないけど』
腕から哀ちゃんを解放して
顔を見ると驚いた表情をしていた
でも、すぐに元の顔に戻る
哀「…ありがと、
本当に何処までも知っているのね」
『…いつかちゃんと話すよ』
記憶が戻って
全てを話す時が来たら
私は元の世界に帰らないと
いけないのかもしれない
皆んなに…
赤井さんに…
会えなくなるのかもしれない
私にはこの世界での
居場所はないんだと
改めて実感する
悲しい気持ちになった
コ「葵さん、どうしたの?」
そう言って顔に手を
当ててくるコナンくん
コ「なんで泣いてるの?」
いつのまにか涙が流れてた
慌てて目を擦って
取り繕った笑みをこぼした
『あれ…おかしいなっ…
何で、止まんないっ』
その時リビングの扉が
開いて沖矢さんが入ってきた
手にはお茶のセットを持っていて
それをテーブルの上に置くと
私の様子を見て
抱き上げて来た
沖「少しの間、ゆっくり
お茶でもしていて下さい」
2人にそう言って
リビングから出る
そのまま私の部屋に入って
ベッドに座らされる
隣に沖矢さんは腰掛けた
沖「どうやら抱え込んでるのは
葵さんの方ですね」
そう言いながら
頭を撫でられて
指で涙を拭われる
『…ごめっ…なさいっ…』
沖「何を思ってそんなに
泣いているんですか」
抱き寄せて優しく
背中をトントンしてくれる沖矢さん
『…この世界にはっ…
私のっ…居場所なんかっ…』
沖矢さんは首元にある
変声機に手を伸ばして
スイッチを押した
赤「…あるさ
葵は俺の側に居ればいい
そこが葵の居場所だ」
『…でもっ…赤井さんにはっ…』
忘れられない元恋人がいる…
そう言いかけた
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