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【R18】Morning Glory Fizz【赤井秀一】

第2章 出会い




勿論、そこには
当たり前のように
赤井さんが立っていて


赤「どうした、頭でも打ったか?」


上から声をかけられる


流石赤井さん
こんな怪しい女に
心配の言葉をかけるとか…
大人の男性の優しさを
しみじみ感じた


『いえ、考え事を…』


赤「そうか…聞きたいことが山ほどある
とりあえず座って話でもしようか」


そう言いながら
手を差し伸べられ
大人しくその手をとり
立ち上がった


そしてリビングへ案内され
昨日寝落ちしたであろう
ソファーに座った
赤井さんは対面のソファーへ


私が洗面所にいる間に
用意してくれたんだろう
コーヒーが目の前に出された


ありがとうございますと
一言いい、ミルクと砂糖をいれ
それを口にする


ほろ苦い甘さが
口の中に広がった


目の前にいる人は
足を組み優雅にブラックコーヒーを
飲んでいる


なんて綺麗な仕草なんだろ…


そんな事を思い
見惚れていると
赤井さんが口を開く


赤「名前と歳は?」


その時ハッと我に帰る
自己紹介もまだなことに
今気がついた


『有栖川 葵です。
25歳です。自己紹介が遅くなってしまい
申し訳ありません…』


思わず俯いた


そして


赤「葵か…」


と赤井さんが
私の名前を呟いて
ドキッとした


きっと今私の顔は
赤くなってるんだろうな
と顔の熱を気にした


だが、


これから質問攻めに合うと言うのに
あの赤井秀一に名前を呼ばれて
ドキドキしている場合じゃない、と


何とか気持ちを落ち着かせようとする


赤「家や家族は?」


その質問に
さっきまでのドキドキとは
別のドキドキに
すぐに答える事が出来ずに
少しの沈黙


俯いたまま
どうしようと考えた


でも質問には
ちゃんと答えないと
余計に怪しまれるだろう


そう思い口を開く


『…家は…わかりません…
多分、ありません…家族はいません…』


きっとこの理不尽な世界には
私の家なんかない


家族は母と父と3人家族だったけど
私が大学生の時に不慮の事故で
他界してしまった


赤「迷子か」


とツッコミに似た返事を
頂いた


『…そんな感じです』


家族の事について
突っ込まなかったのは
私の様子を察した
赤井さんの優しさだろう



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