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【R18】Morning Glory Fizz【赤井秀一】

第2章 出会い




私のお腹辺りに回った
沖矢さんの右腕にぐっと力が入る


あ、だめだ
この人からはもう逃げれない


そう悟った


『もう、逃げたりしませんので
離してくださいっ』


現状が恥ずかし過ぎて
精一杯訴えた


沖「ホォー…これは潔いですね」


と沖矢さんは私を解放してくれた


そしてくるっと沖矢さんの方に
体を向かされ
顔を見れずに俯く


すると左手を差し伸べられ
頭にハテナを浮かべながらも
反射的に思わず自分の右手を
そっと置いてしまった


しっかりと握られた手


これもまた恥ずかしさで
俯いた


沖「おや?顔が少々赤いですよ?」


知ってか知らずか
意地悪く聞く沖矢さんに対して私は


『…全力疾走したから…です…』


と答えた


そうですかと、
にこやかな笑みを浮かべ
沖矢さんは私の手を引きながら
歩き出した


先程自分の家を探し求め
歩き疲れたのと
パニックで逃げ出したくなり
全力疾走したのとで
足は限界に近く
ふらふらしていた


沖「ふらふらしてる様ですが
大丈夫ですか?まだ歩けますか?」


『もう限界が近いです…』


沖「それなら私がお姫様だっこして
差し上げましょうか?」


『なっ…』


何言ってんだこいつ!っと
言いたかったけど
あまりの驚きに言葉が出なかった


顔を真っ赤にしていると
楽しそうにお姫様だっこしようと
背中に腕を回してくる沖矢さん


咄嗟に一歩離れた


『歩けます、から…!』


沖「それは残念です、
ではあと少し頑張ってください」


とまた左手で右手を掴まれた


ふと思った


何処に向かっているのだろうか


いや、でも…もう何処でもいいや…


何とでもなれ…


一気に色々な事が起こり過ぎて
思考が考えることをしなくなっていった


ただ一つ言えることは


疲れた…


もうとっくに日付は
変わってるのだろうか


凄まじい眠気が襲ってくる


あ、もう倒れるかも…


そう思った時に


沖「着きましたよ」


頭上から声が降ってきた


顔を上げると
見覚えのある大きな洋館
表札には工藤の文字


それを目の当たりにして


あぁ、やっぱり
ここは名探偵コナンの世界だと
思い知らされる



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