【R18】Morning Glory Fizz【赤井秀一】
第81章 残党
哀「脈拍も正常…うん、大丈夫よ」
『ありがとう、哀ちゃん』
阿笠邸にバタバタと押し掛けて
再び小さくなった体を診てもらった
哀「あと……」
哀ちゃんは私に何か物申した気に
こちらの顔を覗いた
『どうしたの…?』
哀「本当に…色々と有難う
組織の事も…お姉ちゃん…ううん、
赤井さんとの事も…」
『私は頼りなかったよ…
皆んなを守りたい一心だったけど
大体の事は裏目に出たし
沢山迷惑をかけた
それでも、此処まで来れたのは
秀一さんのお陰だよ』
哀ちゃんの重ねた両手の上から
自分の両手を重ねる
哀「うん…そうね
お姉ちゃんも貴女も
あの人を愛した理由が
今はとても分かるわ」
『あ、あげないよ!
…いくら哀ちゃんでも
秀一さんはあげないよ…!』
哀「ふっ…要らないわよ」
笑いながら言う哀ちゃんに対して
必死過ぎた自分が恥ずかしくなった
哀「そう、それから
もう少しでAPTX4869の解毒薬が
完成しそうなの
だから、あと少し待っていて」
私はその言葉を聞いて
とても嬉しくなり
ガバッと哀ちゃんを抱き締めた
『凄いよ、哀ちゃん!』
私はいつか哀ちゃんが
念の為と渡してくれてた
解毒薬の試作品を
ポケットから取り出した
『これ、もう必要ないね』
そう言い哀ちゃんに
変えそうとしたけど
それをやんわりと断られた
哀「油断は禁物よ」
哀ちゃんはそう言った
ノックの音の後
ガチャリと部屋の扉が開かれて
秀一さんが姿を現した
私はくるっと秀一さんの方を向く
『もう少しで解毒薬を
完成させる事が出来るみたいなんです』
そう言いながら
断られた試作品をポケットにしまった
赤「やったな、志保」
私の体を片手で抱き上げて
反対の手は哀ちゃんの頭を撫でていた
少し複雑な気分を味わう
哀「子供扱いしないで」
そう言い軽々しく
秀一さんの手を除ける哀ちゃん
哀「貴方は彼女だけを見ておきなさいよ
お姉ちゃんの時みたいに……したら
許さないんだから」
哀ちゃんはそう言い腕を組み
秀一さんに睨みをきかせた
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