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【R18】Morning Glory Fizz【赤井秀一】

第78章 宿敵




信号が変わり車が発車する


『秀一さん…』


赤「落ち着いたら少しずつ
話してくれるといい…」


秀一さんはいつも優しくて
私の気持ちを察してくれる


無理に聞こうとしない。
その優しさが胸に染みた


何があったのか
大体の事は予想が
付いているんだろうし
秀一さんなら受け入れてくれる…


それでも、好きな人に
他の人に無理矢理抱かれた事を
言う勇気が無かった


ましてや中出しされたなんて
何て言えばいいのだろう


暫くすると車は工藤邸に着いた


秀一さんに手を繋がれて
家に入りリビングの
ソファに座らされる


赤「コーヒーでも淹れようか
風呂も沸かしてくるから
少し待っていてくれ」


秀一さんは私を置いて
リビングを後にした


言わないといけない…
ちゃんと伝えないといけない…


ソファの上で膝を抱えた


秀一さんを傷付けたくないのに
ちゃんと言わなきゃいけない


暫くもんもんとしていたら
ドアが開いて秀一さんが
戻って来てくれた


コーヒーが入ったマグカップを
テーブルの上に置くと
隣に座ってくる


頭を撫でられて
そのまま流れる様に
引き寄せられた


私は抱えていた脚を崩して
体を秀一さんの方に向けて
胸板に顔を埋める


秀一さんの腕の中にいる…
物凄く安心する…


私はゆっくりと口を開いた


『秀一さん…私…
ジンに、抱かれた…』


秀一さんは黙って
頭を撫でてくれていて


『抵抗したら、殺すって言われて…』


赤「…未然に防ぐ事が出来なかった
葵を守ってやれなかった
すまない…」


秀一さんの腕が
強く、私を抱き締める


『秀一さんが謝る事じゃありません…
……それから…』


中出しされた
そう言おうとした


だけど喉の奥でつっかえて
言葉が出てこない


変わりに涙が溢れ出して
秀一さんの服を濡らした


言わないとダメなのに
言えなくて
ぎゅっと秀一さんの服を握った



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