【R18】Morning Glory Fizz【赤井秀一】
第78章 宿敵
緊迫した空気が漂う
ジンが私を盾にしている以上
皆んな動けない
ジンは少し考え事を
するかの様に黙り込んだが
直ぐに声を上げた
ジ「…ハッ…役に立つか…」
急に笑い出したジンに
体がびくっとした
ジ「ベルモットはこうなる事を
予想していた訳か…」
私をジンに差し出す時
ベルモットは確かに
「この子はいずれ役に立つわよ」と
言っていた
だが、残す幹部はジンだけと
降谷さんが言ったんだ
ベルモットは捕まった
ジ「悪いがこいつは
解放してやれねぇな」
ジンの役に立ってたまるか…
『…撃って!!
私ごと、撃って…!』
私は秀一さんの目を見た
大丈夫、私は死なない…!
その時、遠くの方から
聞き覚えのある声がする
コ「赤井さーん!」
コナンくんだ!
コナンくんはサッカーボールを
膨らませた
コ「いっけぇー!」
サッカーボールが
私達を目掛けて飛んでくる
瞬間、私のこめかみを
突き刺していた拳銃が離れ
サッカーボールに照準が向く
咄嗟にジンはサッカーボールを撃ち抜き
パァンと弾け飛ばした
その瞬間を狙って
秀一さんが射撃する
ジンの左手に握られていた拳銃が
飛んでいく
私の頭から離れた拳銃を狙って
秀一さんが撃ったんだ
ジ「チッ…」
耳元で舌打ちが聞こえた
ジ「昨夜は楽しかったぜ…じゃあな」
そう耳元で囁く様に言われた後
車のドアを開け
私を突き飛ばした
バン!と車が閉まり
勢いよく発車する
警察達の包囲を破り
ジンは逃走した
降「赤井は葵さんを頼みます!
僕たちはジンの後を追う!」
赤「了解」
秀一さんが駆け寄ってきて
着ていたジャケットを
肩に羽織らせてくれた
そのままガバッと抱きしめられる
安心が包み
感情を抑えていた蓋が外れ
ボロボロと涙が溢れた
『…ごめんっ、なさっ…
わたし、…ごめんなさいっ…』
赤「怪我はないか?
大丈夫、もう大丈夫だから
遅くなってすまなかった」
秀一さんの胸の中で
子供の様にわんわんと泣いた
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