【R18】Morning Glory Fizz【赤井秀一】
第76章 初めてのお揃い
次の日、秀一さんは
降谷さんにUSBメモリを渡して
私がXから入手したものだと
言えば降谷さんは
心配していたと言う
それから毎日夜遅くまで
秀一さんは忙しそうに
書斎でずっとパソコンを叩いていた
今晩も。
私は淹れたコーヒーをトレーに乗せ
それを秀一さんの元へ運ぶ
『秀一さん、コーヒー淹れましたよ』
パソコンの横にコーヒーを置くと
赤「ああ、有難う」
と、こちらに見向きもせずに
返事をする秀一さん
相当、仕事が忙しいんだ…
私は踵を返して
書斎を出ようとした
秀一さんに背中を向けると
お腹に腕が回ってきて後ろに引かれた
バランスを崩して
後ろに倒れそうになったが
秀一さんが抱きとめてくれて
私は秀一さんの片膝の上に
座る形になってしまった
『秀一さん…?』
ぎゅっと後ろから抱き締められ
背中に顔をぐりぐり押し付けてくる
赤「充電…」
私は戸惑いながら
その行為を受け入れた
『お仕事、疲れましたか?』
赤「ん…」
肯定とも否定とも言えない
微妙な返事が返ってくる
『どうしたんですか?』
様子がおかしい秀一さん
少し心配になった
赤「…俺は少し期待したんだ」
何に?とは答えず
秀一さんが口を開くのを待った
赤「…Xの情報に
もしかしたら父に関する
手掛かりがあるかもしれないと」
秀一さんのお父さんは
死んだものとされているが
死体の確認はされていない…
組織と何か関わりがあると
思われているが
結局のところ、真相は定かではない
赤「それらしき情報は何も無かった」
期待していた分
ショックが大きかったんだろう
『…秀一さん』
私は少し考えて
一度膝から降りると
秀一さんの両頬に手を添えて
顔を覗き込んだ
そのまま唇にキスをした
『元気が出るおまじないです』
秀一さんは一度驚いたが
直ぐにふっ…と笑った
その笑顔はいつもの秀一さんで
赤「まだ元気になれないな
もっとしてくれ」
と、意地悪をする時の顔に戻っていた
『しょうがない人ですね』
ワガママを言う秀一さんが
可愛くて甘やかしたくて
沢山のキスを送った
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