【R18】Morning Glory Fizz【赤井秀一】
第70章 さざ波の夢
バスルームを出て
ドライヤーで髪を乾かして
部屋に戻ると秀一さんは
ソファでうたた寝をしていた
濡れたワンピースとブラを
ハンガーに引っ掛けて
その後、秀一さんの横に
ちょこんと座ってみる
顔を近づけて
じーっとパーツが良い顔を
眺めていた
触りたくて手を伸ばすと
ガッと伸ばした手を掴まれて
開いた瞳と目が合う
赤「寝込みを襲うとは…大胆だな」
『ち、違います!』
赤「どうだかな?」
にやりと生意気に
口角を上げる秀一さんに
『寝たふりはお得意ですもんね!』
と、つい言ってしまった
赤「ホォー…俺の事を
よく知っている様な言い方だな」
知ってるよ…
知ってるに決まってる…
『…大好きだもん…。
…私…10年後の未来から来ました
って言ったら笑いますか?』
赤「ふっ…10年後には
タイムマシンでも出来てるのか?」
掴んでいた私の手を離して
秀一さんはタバコに火を付けた
『出来てませんよ』
赤「じゃあ、どうやって来たんだ?」
信じるとも、信じないとも
言わない秀一さんは
私の嘘くさい話に乗ってくれる
『今、未来の私の体は
多分眠ったままだと思います…
これは私が見てる夢の中なんです』
赤「何故、眠ったままなんだ?」
『…勝手な行動をして
悪い人に毒を盛られて…。
目が覚めたら、10年後の秀一さんに
滅茶苦茶怒られると思う…』
赤「俺は怒らないぞ。
きっと"目が覚めて良かった"
"もう危ない目に合わせない"と
言いながら強く抱き締めてやる」
『そうだと良いな…』
秀一さんの方を見て微笑むと
微笑みを返されて
赤「それで、俺たちは
どういう間柄なんだ?」
『…秘密です』
恋人ですなんて言ってしまえば
私はただの頭のおかしい
ストーカーみたいになっちゃうじゃん
言えるわけが無い
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