【R18】Morning Glory Fizz【赤井秀一】
第70章 さざ波の夢
…てことは…
秀一さんも、コナンくん…いや、
新一くんもここに居るって事…?
…会いたい、秀一さんに…
辺りは先程よりも
騒がしくなって来て
車が落ちたと思われる方は
人集りが出来ていた
あそこに行けば、
秀一さんが居る…
…でも、ここは原作の
10年前の話
会えたとしても
私を分かるはずが無いし
もし、何かの影響で
物語が歪んでしまったら…
会うわけにはいかないか…
私はまた膝を抱えて蹲った
そうこうしているうちに
パトカーのサイレンが聞こえる
あの事件は
秀一さんと新一くんが解決してくれる
私は…
夢から覚める方法を探さなくちゃ…
って言っても
何も手掛かりが無い
初めてこの世界に来た時も
途方に暮れたけど…
取り敢えず
何か持ってないか
ワンピースのポケットに
手を突っ込んでみた
私は以前昴さんとご飯を食べに
出掛けた時のお子様ランチのオマケで
貰ったあの小さなおもちゃの指輪でも
入っているんじゃないかと期待した
東都水族館での観覧車の事故で
一度元の世界に戻った時、
あの指輪がこちらの
世界と繋げてくれたから…
だが、例の指輪は
何処にも無くて、
私の期待は大いに外れた
そりゃそうだ
あれはベッドの横の
サイドチェストの中に
大事にしまっているんだから…
持っているはずないか…。
もう一層のこと、
寝てしまって起きたら
夢から覚めるんじゃ…
そう思ったら
都合のいい事に眠りが誘ってくる
随分疲れた…
秀一さんも降谷さんも
心配しているんだろうな
このまま永遠に
この夢を見続けていたら
どうしよう…
不安と疲れが私を襲う
私はその場で
眠りについてしまった
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真っ赤な夕日が私を照らす
『…本当に寝てしまっていた…』
辺りの景色は変わらず海
変わったのは色合いだけ…
海水浴客は随分少なくなった
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