• テキストサイズ

【R18】Morning Glory Fizz【赤井秀一】

第65章 喧嘩




いつもの様に
キッチンに行くと
メモ書きが置いてあり
それを手に取って目を通す


"風邪を引くから玄関で寝るな"


と、書かれていた


優しさを感じるメモ書き


でも、やはり彼の姿は無くて
作り置きしてくれているご飯も
手を付けずに再び部屋に戻ってきて
ベッドに突っ伏した


食欲もなく
何をする気も起きなくて


ただただ無駄な時間を
ぼーっと過ごした


夕方ごろに
体のだるさに気付いて
体温を測ると38度を超えていて
深い溜息を吐いた


そりゃあ、食欲もない訳だ


昨夜、玄関で寝てしまった所為か
過度なストレスの所為か。


熱が出ていても脳内は
秀一さんに会いたい…
そればかり考えていて。


私はだるい体を引きずって
秀一さんの部屋のドアを開けた


部屋に微かに残るタバコの匂いに
愛しさと寂しさを感じる


秀一さんのベッドに潜り込めば
秀一さんの匂いがして


目頭が熱くなった


『…っ…しゅいちさん…
…あいたい…くるしい…っ…』


熱の所為で意識が朦朧としてきて
夢なのか現実なのか境目が分からなくなる


赤「…葵…」


秀一さんが名前を呼ぶ声がする


赤「…葵、しっかりするんだ」


ハッとして、目を開ければ
秀一さんがいて
体を起こしてしがみ付いた


『しゅいちさんっ…!』


赤「酷い熱だ」


熱とかそんなのどうでも良くて
1週間ぶりに会えた事が嬉しくて
訳がわからないくらい涙を流した


『しゅいちさんっ…ごめんなさいっ…
…っ…たたいたりして…っ…
…もういいとか、いったりして…』


赤「すまない、
あれは俺が悪かった
葵は悪くないから…
ほら、今は熱を下げる事が大事だ」


そう言って私の体を
そっと押し倒し寝かせようとする
秀一さんの腕を必死に掴んだ


『…やだっ…どこにもいかないで…
もう、ひとりはやだっ…
おねがい…だから…っ…』


赤「もう一人にしないから、
何処にも行ったりしないから」


秀一さんは私を
落ち着かせようとしているのか
優しい声色で囁いてくれた



.
/ 493ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp