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【R18】Morning Glory Fizz【赤井秀一】

第65章 喧嘩




仕方なく朝食兼昼食を済ませ
一日中ぼーっと過ごした


夜になっても秀一さんは
帰って来なくて
お鍋の中のカレーを温め直して
テーブルに運ぶ


『…いただきます』


久しぶりに一人で食べるご飯は
寂しくて、美味しいはずのカレーは
美味しく感じなかった


シャワーを済ませて
しばらく秀一さんが帰ってくるのを
待っていたが
子供の姿だとどうも眠気に
勝てなくてその日は諦めて眠った


明日にでも話そう…


だが、次の日も
キッチンに作り置きのご飯と
メモ書きだけ置かれていて
秀一さんはどこにも居なかった


次の日も、その次の日も…
それが1週間も続いた


最初こそ
そんなに私に会いたくないかと
怒りの感情が続いていたが
段々、それは悲しみに変わっていった


もう会ってくれないんじゃないかとか
私の事嫌いになったんだとか


泣きながら眠りに着く毎日が続いた


秀一さんと喧嘩してから
7日目の夜


いつ帰ってくるか
分からない彼を私は玄関の端に
座り込んで待っていた


夜遅くまで誰と過ごしてるのかな…
他に良い人でも見つけたのかな…


嫌な事ばかり頭に過って
視界がぐにゃりと歪み
ボロボロと涙が出てくる


『…っ……しゅいちさんっ…』


出てくるのは涙と後悔だけで…


なんであの時、勢いに任せて
頬を叩いてしまったのか


なんであの時、投げやりになって
もういいなんて言ってしまったのか


なんであの時、逃げるように
部屋を出て行ってしまったのか


そんな事ばかりが
脳内を埋め尽くした


会いたい…


秀一さんに会いたい


時計の針が真上を指す頃
私は玄関の端で
膝を抱え込んだまま
眠ってしまった














ーーーーーーーーーーーーーーーー


翌朝目を覚ますと
自分の部屋のベッドの上で


なんで起こしてくれないの、
なんで話しをしてくれないの、


なんで、会ってくれないの…


不安と悲しみが私を覆い尽くした




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