【R18】Morning Glory Fizz【赤井秀一】
第65章 喧嘩
気がつくと私は
床の上で寝てしまっていて
体の痛さで目が覚めた
床に転がっていた
カチューシャを見て
昨夜の事を思い出して
また涙が出そうになるのを
ぐっと堪えた
そういえば
メイド服着たまま寝ちゃってたのか
適当な部屋着に着替えて
部屋に置いてあった鏡を見る
『酷い顔…』
目元が真っ赤に腫れていた
深い溜息を吐いて
ベットの上にごろんと寝転がり
天井を見つめる
今頭の中にあるのは
組織の事でも、安室さんの事でもない
秀一さんの事だけ
昨日の事を謝りたいけれど
私の事を信じてくれない秀一さんに
腹が立つし
そう思うと先に謝るのは
秀一さんの方だと意地を張ってしまう
顔を合わせたくないなぁ…
時刻を見ると
もうお昼が近くて
こんな深刻な状態なのに
お腹は空く
私はキッチンに向かおうと
部屋のドアを恐る恐る開けて
廊下を覗いて
秀一さんの気配が感じない事を
確認するとキッチンに向かった
キッチンには
ラップをされたオムライスが
置いてありその横に
メモ書きがあった
"昼食にオムライスを
夕食は煮込んであるカレーを
温めて食べてくれ"
と、秀一さんの字で書かれていた
一緒にご飯も食べたくないと
言う事なのか…
悲しみなんて通り越して
じわじわと怒りが込み上げてくる
そりゃあ、顔を合わしたくないと
思ってたけどさ
顔を合わす事によって
仲直り出来るキッカケが
掴めたかもしれないじゃん
私は何か一言言ってやろうと
秀一さんの部屋に向かった
だが、そこには
秀一さんの姿も昴さんの姿も無くて
書斎か、と思い
書斎も覗いたがそこにも居なくて
しばらく、隠れんぼの鬼状態で
家中探し回ったが
私以外の誰かがいる気配は無かった
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