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【R18】Morning Glory Fizz【赤井秀一】

第65章 喧嘩




『もういいです!』


そう言って
私は下着の中のローターを
取り外して昴さんを突き放すように
ベットから降りた


床に落ちていたパジャマを拾うと
ガッと腕を掴み上げられ
拾ったパジャマはまた床に落ちる


沖「何処へ行く」


声は昴さんのままだけど
口調は秀一さんに戻っていて


『離して下さい!もういいです!
自分の部屋に帰ります!』


言っても何も信じてくれない
何も伝わらない


私は昴さんの腕を
一生懸命振り解こうとした


沖「話の途中だ」


『本当の事を言ってるのに
嘘つき呼ばわりする人に
話す事なんてありません!』


私は勢いに任せて
掴まれていない方の
手を振り上げてしまった


パンッ…と乾いた音が
部屋に響く


気付いた時には私の手は昴さんの
頬を叩いてしまっていて
その拍子に掴まれていた腕を離された


私は逃げる様に部屋を出た


背中に私の名前を呼ぶ
昴さんを無視して。


走って自分の部屋に入り
ドアを閉めると鍵を掛けた


そのままドアを背にして
ずるずると崩れる様に
座り込んだ


膝を抱えて体を丸めて
止まらない涙を必死に
抑えようとしたけれど
止まらないものは止まらない


頬を叩いてしまったとか
話す事なんてないと
言ってしまったこととか


自分が悪いと思った所だけが
切り抜かれて、


今度こそ嫌われた、
もしくは呆れられた、と
思い込んだ


そう思うと
余計に涙が溢れてくる


それでも、
私は背中のドアをノックして
私の事を追いかけて来てくれる事に
期待していた


だが、待っても待っても
ノックの音なんて聞こえてこなかった


もう、本当に
終わりなのかもしれない


別れたくない…


なのに嫌われたって事実を
目の当たりにするのが嫌で
私はこの部屋から動けないで居た




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