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【R18】Morning Glory Fizz【赤井秀一】

第62章 前進




秀一さん、待って…と
声を出そうとする前に
後ろから腕が伸びてきて
私の体がその中に包まれた


『…安室さん…?』


安「赤井の所なんか行かないで、
今だけ…僕の側に居てくれませんか」


耳元で聞こえた声に
昨夜の泣いていた彼の姿が
脳裏に浮かんだ


秀一さんの事も気にしつつ、
それでも私は安室さんに頷きを返すと
腕から解放される


後ろを向くと
少し困ったような微笑みを
浮かべた安室さん


安「葵さんは優しいね」


『ほっとけないだけです…』


安室さんに今まで沢山
隠し事をして来たから
その罪悪感を少しでも消化したくて
こんなにも気に掛けてしまうんだと思う


安「…キスしたい」


唐突に言われて私は
自分の唇を両手で隠した


『だ、だめです!』


そう言うと今度は
正面から抱き締められた


安「初めはただ、君の事を
赤井から奪ってやりたいだけだったのに
今は、本気で君の事が好きなんだ…
こんな僕にも優しくしてくれて
慰めてくれて甘やかしてくれる、
葵さんが好き」


『あ…むろさん…』


安室さんは私の肩に顔を埋めて
そのまま動かない
頭に手を伸ばして金色の髪に触れた


『…安室さん、私…』


安「何も言わなくていい…
分かってる、葵さんが
赤井の事が好きという事くらい。
だから何も言わずに
もう少しこのままで居させて下さい」


私は言われた通り何も言わずに
しばらくそのままで居た


再び安室さんが口を開く


安「…スコッチの事…」


そう呟いた時に
僅かに体がぴくっと反応してしまった


思わずぎゅっと安室さんの
頭を両腕で包み込んだ


安「…全部赤井の所為にしたかった
赤井に対する怒りも
僕を奮い立たせるものも
無くなってしまった様な…
この苛立ちに似たモヤモヤする気持ちは
どう処理すればいいんだろうか…」


私は安室さんの頭から腕を離すと
両頬を掴んでこちらを向かせた


『何言ってるんですか!
こんな所で立ち止まっちゃダメです!
これから一緒に
前に進めるんです!
私も居るし、秀一さんも、
コナンくんだって…!』




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