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【R18】Morning Glory Fizz【赤井秀一】

第61章 和解




次に、ハッとなって
目を覚ました時には
意識が飛んでいたと、自覚した


二人はどうなった、と
窓の外に視線を移すと
秀一さんの服を握りながら
俯いて肩を揺らす安室さんの姿


安室さんは泣いていた


そのまま崩れるように蹲った


秀一さんはあの時の事を
スコッチが死んだ時の事を
話したのだろう…


当事者じゃないのに
安室さんの気持ちが
ひしひしと伝わってきて
涙が溢れてくる


それと同時に
体が勝手に動いていた


車のドアを開けて、
ぶかぶかになった
大人用の自分の靴を脱ぎ捨てて
地面を引きずるスカートを
たくし上げて裸足で駆け寄った


『安室さんっ…!』


ガバッと安室さんの頭を
短い両腕で抱きしめた


赤「葵…」


『誰も…悪くないっ…!
安室さんも、…秀一さんも!』


安「…葵さん…」


『だからっ…安室さんも…
秀一さんもっ…自分を責めたり
しないで下さいっ…!』


誰も悪くないんだ…
悪いのは組織なんだ。


秀一さんはともかく、
安室さんのメンタルが
心配で仕方なくて
抱き締める腕に力がこもった


私の背中に腕が回ってきて
安室さんは静かに泣いていた












ーーーーーーーーーーーーーーーー


何分くらいそのままでいただろうか


そっと、安室さんは
私の体から離れて
私の顔を覗き込む


安室さんの目元は
少し赤く腫れていた


安「…本当に葵さんは
何でも知っているんですね…」


と、淡い笑みを浮かべられ
それに対して私も笑みで返した


赤「一本吸うか?」


そう言い、秀一さんは
安室さんにタバコを差し出した


安「貴方は昔から吸いすぎなんですよ」


そう言いながら、
差し出されたタバコとマッチと
携帯灰皿を受け取り、安室さんは
火を付けてタバコを吸った


『安室さんがタバコ吸うところ
初めて見たかも…』


少し驚きながら
ぽろりと思った事を呟いた


安「今日だけです」




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