【R18】Morning Glory Fizz【赤井秀一】
第61章 和解
もう私達の秘密は
安室さんにバレてしまったんだ。
後は私が異世界から
来たという事くらい。
それはまだ言わなくていいにしても
この緊迫した空気を変えなければ…
それから…
秀一さんと安室さんの関係を
修復出来れば…
緊迫した空気を破ったのは
秀一さんの声だった
赤「…安室くん、
少し昔の話をしようじゃないか」
落ち着いた声。
秀一さんはタバコに火を付けて
紫煙を燻らせながら
一歩、また一歩とゆっくり
こちら側に歩みを進める
安室さんは私を抱えたまま
引く事はせず、
その場で立ち尽くしていた
私はその昔の話に
混ざっちゃいけない気がした
秀一さんが何を話そうとしているのか
何となく分かった
きっと、安室さんの幼馴染で
大切な人……そして彼らの間に出来た
深い溝の原因…
スコッチの話をするつもりなのだろう
『…安室さん…私は
聞いちゃいけないと思うの
だから降ろして…
もう逃げたりしないから
安室さんの車で待ってるから…』
そう言うと安室さんは
するりと降ろしてくれた
歩み寄って来た秀一さんは
私の頭をぽんぽんと撫でてくる
赤「いい子で待っているんだぞ」
『はいっ…』
私は安室さんの車のドアを開けて
一度振り返る
『…安室さん…
私達の敵は同じです』
安「…ああ」
返事を聞くと車内に入りドアを閉めた
車を離れていく二人の背中を
ただ見守った
前に進むだけだ。
秀一さんを信じて…
きっと上手くいく
窓の外、
空を見上げれば
星が輝いていた
私達を見守ってくれている様で…。
うつらうつらと眠気が誘う
もう夜も遅い。
瞼がゆっくり降りて来ては
寝ちゃダメだと首を振り
外にいる二人を見れば
何か口論をしている様子…
大丈夫…秀一さんなら。
そう自分に言い聞かせて。
再び瞼が降りてきて
意識が途切れ途切れになっていく
そして瞼を完全に閉じてしまった
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