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【R18】Morning Glory Fizz【赤井秀一】

第61章 和解




車内は嫌なほど静かだった


俯いたまま、ぽつりぽつりと
言葉を落とす


『…安室さん…私は
とある薬を飲んで…
幼児化してしまう体質になりました…』


頭に何か乗せられて
肩がビクッと跳ねた


直ぐにそれは
安室さんの手だと分かった


私の実体を確かめるかの様に。


頭からするりと降りて来て
頬に手を添えられる


顔を上げ安室さんの目を見た


『…その薬が、誰が作ったのか
言えないけど…私は…間違いなく
………ティフィンです』


安「……少し状況整理に
時間がかかりそうだ…」


安室さんは
信じ切れていない様子だった


その時、車外から
車のエンジン音が聞こえた


窓の外を見ると
赤いマスタングがピタリと横付けされる


中から出て来たのは
秀一さんで、
直ぐに助手席のドアが開かれた


GPSで追って来てくれたのだろう


『…秀一さんっ…!』


彼の名前を呼ぶと同時に
体が運転席の方へ引かれる


安室さんの腕が私を
背中から抱く様に回って来ていた


赤「葵を返してもらおうか」


安室さんは私を抱えたまま
車外に出た


車を挟んで反対側に
秀一さんが立つ


安「彼女を返して欲しければ
質問に答えろ」


急に空気がピリついた


安「沖矢昴の正体は赤井秀一…
貴様で間違いないな?」


ダメだ…私のせいだ…


私の幼児化がバレた以上
必然的に繋がってしまう沖矢昴の存在


大人の姿の私は昴さんと恋人同士で
幼児化した私は秀一さんが好きだと
安室さんは知っている…


赤「ああ、そうだ。
……沖矢昴は俺だ…」


『…しゅ…いちさん…
…ごめん、なさい…』


いずれ、秀一さんと安室さんは
同じ敵を倒す為に
協力状態になっていただろう…


でも…こんな、
イレギュラーな私の存在のせいで
こんな結果になるなんて…


何処で間違えたんだろう。


いや、悲観的になるのはダメ
前向きに考えないと…


この物語をなるべく
いい方向に…今の私に
出来る事をしなくちゃ…


でも…行動に移すのが
少しこわい…
また失敗するんじゃないかって…


安室さんに抱えられたまま
ぐるぐると思考を働かせた



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