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【R18】Morning Glory Fizz【赤井秀一】

第60章 剥離




ビルの一階まで降りると
昴さんと合流するポイントと
真逆の場所に安室さんの車があり
それに乗せられる


その間、ずっとイヤフォンから
昴さんの呼び掛けがあったが
答えられずにいた


ここで昴さんが鉢合わせると
昴さんがただの大学院生では無いと
バレてしまう


車の後部座席に
ライフルバックを置かれて
助手席に座らせて車が発進する


安「さて、そのイヤフォンとマイク
誰に繋がっているか…
こちらに渡して下さい」


私はそれらを外すと
安室さんに渡した


安室さんはいつから
あそこに居たのか…


何故、気付かなかったのか…


安室さんは渡したイヤフォンを耳に付け
片手で運転しながら
マイクを口元に持って行く


安「貴方の正体を
教えて頂きましょうか」


安室さんはマイクの向こうに居る
昴さんに話しかける


安室さんは未だに
私の正体を疑ったままだ。


私と連絡を取り合っている人物を
突き止めれば私の正体に
繋がるという事だろうか…


安室さんの顔を見れば
目を見開いて驚いていた


安「…赤井…だと…
ふっ…そういう事ですか
なら尚更、彼女は
貴方の元に返せませんね」


昴さんが何を言ったのか分からないが
私と秀一さんが
繋がっている事を明かしたのが
安室さんの反応から見て取れる


安室さんは車の窓を開け
イヤフォンとマイクを外に捨てた


安「葵さん、
貴女は一体何者ですか?」


何度も聞かれて
何度も言葉を濁してきた


安「そろそろ教えて頂けませんか?」


秀一さんと繋がっている事を
知られた以上
余計な事を勝手に口走ってはいけないと
口を噤んだ


嫌な汗が伝う


安「赤井の許可が無ければ
何も言えない、か。」


車はどんどん町を離れて
人気の少ない所へ走って行く


こんな事になってしまうなら
組織の邪魔をしようだなんて
言わなければ良かった


一緒に組織と戦いたいなんて
言わなければ良かった


結局、私は
秀一さんの足手まといで…
秀一さんの邪魔になっただけだ…


鉛玉でも飲まされた様に
胸が苦しくなり、
目頭が熱くなった



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