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【R18】Morning Glory Fizz【赤井秀一】

第56章 お化粧




お腹に回った腕は
離してくれる様子は無い


秀一さんはむくっと起き上がり
後ろから私の身体を包んだ


赤「葵、おはよう」


『お、はようございます
秀一さん、私…任務を…』


秀一さんは私の肩口に顎を乗せる


赤「俺がやっておいた
ちゃんと組織にも報告は
済ませておいたから安心しろ」


『…ごめんなさい…』


私が、ぐずぐずしてたから…
しっかりしなきゃダメなのに…
私が…やらないといけないのに…


また秀一さんに迷惑をかけた


秀一さんが居なくても
出来る任務だったのに…


赤「謝らなくていい」


『…ごめ…なさいっ…』


ぽろぽろと溢れる涙


秀一さんの手が
私の視界を奪った


赤「少し、情緒不安定になっているぞ」


『…そんなこと…ありません』


赤「じゃあ、聞くが
何故今、泣いているんだ?」


私はその質問に
何も答えられなくて
余計に涙が溢れて
秀一さんの手のひらを濡らした


赤「もっといっぱい甘えてくれ
このままじゃまた葵が
この家を飛び出して
俺の前から
居なくなるんじゃないかって心配だ…」


秀一さんは私の頬にキスをした


赤「葵が出来ない事は
俺がやるから、俺に出来ない事が
あれば代わりにやってくれ
…分かったか?」


秀一さんの優しさに
胸がいっぱいになった


『…はいっ…』


赤「いい子だ…
ほら、こっち向いてくれ」


秀一さんが腕の力を少し緩めて
上半身を後ろに向けた


両頬を包まれて
親指で涙を拭ってくれる


ゆっくりと目を開ければ
秀一さんの顔


とても安心する


そのまま秀一さんは
私の唇にちゅっと
触れるだけのキスをした


赤「元気が出るおまじないだ」


『ふふっ…秀一さん、
まだそれ言ってるんですか』


私は、初めて元気が出るおまじないを
教えてくれた時の事を思い出した


あの時はこの世界に来てまだ間もなくて
不安でいっぱいだった


あの時もこうして元気をくれたなぁ…


『秀一さん、ありがとうございます』


私は微笑んだ




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