【R18】Morning Glory Fizz【赤井秀一】
第55章 荷物の中身
瞳に映る彼の表情は
ポアロで居る時のとは全く別人のようで…
組織に居る時の
どこか冷たい表情をしていた
バ「貴女は敵ですか?」
バーボンはジャケットの内側から
拳銃を取り出して
私の頭に銃口を当てた
『大丈夫ですよ…私は
貴方の敵じゃありません
ただ…複雑な事情があるんです』
私はバーボンの目を見てそう伝えた
彼に全て話せたら楽なんだけれど…
そうは行かない
『その時が来れば…
全て貴方にもお話し致します』
静かに瞳を閉じた
まだ言ってはダメ…
私は慎重にこの物語を進める
バ「…分かりました。
家まで送ります
この箱を運ぶのは大変でしょうし」
そう言い、バーボンは
拳銃を仕舞い込み
ハンドルを握った
『すいません、助かります』
車が発進し、工藤邸へと向かう
しばらく走ると後ろから
赤い車が付いてきているのに気が付いた
昴さんの車だ
工藤邸の門の前に車が停車すると
真後ろに昴さんの車が停車する
ドアを開けて外に出ると
昴さんも運転席から出てきた
何とも言えない空気が辺りを包む
バーボンは後部座席から
荷物を取り出すと
私に渡してきた
バ「結構重いので気をつけて下さい」
『ありがとうございます』
受け取った瞬間
荷物を昴さんに奪われてしまう
『あっ…』
沖「私が運びますから
葵さんは先に家の中へ
入って待っていて下さい
詳しい話は後で聞きますね」
『はい…』
私は先に中へ入って
リビングで昴さんが帰って来るのを
待っていた
何を話しているんだろう…
大丈夫なのかな…
しばらくすると
外から車が発進する
エンジン音が聞こえた
その後昴さんが大きな段ボール箱を持って
リビングに顔を見せた
『昴さんっ…大丈夫ですか?』
沖「私のことより貴女のことです
彼に何もされていませんか?」
床にその段ボール箱を置くと
私のそばに寄って両手で頬を包まれた
『私は大丈夫ですよ』
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