【R18】Morning Glory Fizz【赤井秀一】
第53章 浮気
秀一さんはスマホを持っていない方の
手で私の手首を掴んだ
そのままグイッと距離を縮められ
背中にあった書斎のドアと
秀一さんに挟まれてしまう
私の額に秀一さんの額が
コツン、と当てられた
至近距離にある秀一さんの顔
額はくっつけられたままで…
心臓の音が早まった
キスされると思い、
私はぎゅっと目を瞑る
でも唇にその感触は無くて…
赤「…ふっ…」
秀一さんが笑う声と共に
体が離されて
パッと目を開けると
秀一さんにスマホを返された
え…?と間抜けな顔をしていたと思う
私はその場で秀一さんの
表情を読み取るのに精一杯だった
秀一さんは私の頭の上に
ぽんぽんと手のひらを乗せると
口を開いた
赤「葵が思ってる以上に
俺は嫉妬深い男だ
他の男と連絡を取っているのも
気に入らないし
もっと言えば触れられたくもない
…だが、それ以上に
俺は葵を信じている」
私はその言葉を聞いて
秀一さんに抱きついた
赤「葵が浮気などする様な
女じゃないのも知っているし
何より嘘を付くのが下手だ」
『下手って…』
確かに下手かも知れないけど…
秀一さんは私の後頭部を
撫でながら話を続ける
赤「葵にその気が無くても
近寄ってくる男は沢山いるんだぞ
現に安室くんにも
言い寄られているじゃないか」
『それは…私の事、
何者か疑っているから
探りを入れようと…』
赤「そう思って油断している時が
一番危険なんだぞ」
私は何も言えなくて
秀一さんの背中に回した腕に
力を入れた
秀一さんは私の頭の上
手を置いたまま
ハァ…と、ため息を吐いた
赤「…すまない
束縛するつもりはないんだ
いや…正直に言えば
束縛したい…
誰も知らない場所に
閉じ込めてしまいたい
それくらい
好きで好きで仕方がないんだ」
顔が熱くなるのを感じた
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