【R18】Morning Glory Fizz【赤井秀一】
第53章 浮気
また秀一さんに
隠し事しながら
過ごすのも嫌だったから
私は正直に言う事にした
『秀一さん…あのー…』
書斎でコーヒーを飲みながら
本を読んでいる秀一さんに
声をかける
赤「どうした?」
本の香りとコーヒーの香りで
少しだけ心が落ち着いた
『ポアロに出勤したいんですが…』
赤「ダメに決まってるだろう」
『ですよね…』
元々、安室さんを通して
組織の動きを掴めたらと思い
ポアロでバイトを始めたのだ
今私は半分、組織に
所属している状態だから
もうポアロに出勤する意味も無い
ただ、この安室さんに
渡されているスマホが
鳴り止まないんだ
と、手に持っている
スマホを眺めた
私はしょんぼりしながら
書斎を出ようとする
すると、後ろから引き止められた
赤「そんなに安室くんに
会いたいのか?」
いつのまにか
真後ろに立っていた秀一さんに
ガバッと抱き締められる
顔だけ後ろを向けば
むすっとした表情の秀一さん
『ち、違いますよっ!』
私は慌てて否定の言葉を発した
赤「どうだろうなあ?
俺に黙って浮気していたからな」
浮気と言うのは
秀一さんに黙って
安室さんと連絡を
取り合っていた事だろう
『浮気じゃありませんっ!』
赤「なんだ、まだ
連絡を取り合っているのか?」
と、ひょいっと
安室さんのスマホを取り上げられた
私はくるっと体を
秀一さんの方に向けた
『一方的に連絡が来るんですっ』
赤「ホォー…」
いとも簡単にロックを解除されて
私の頭の上でスマホの中身を
まじまじと確認される
と、言っても
やましい事なんか何も無い
その時、ピロンっと
安室さんのスマホが鳴る
赤「安室くんから
"会いたいです"って来たぞ」
『ちょ…勝手に読まないでくださいっ!』
やましい事は無くても
誰だってメッセージを勝手に
読まれるのは嫌だ
私は秀一さんの手から
スマホを奪おうと手を伸ばしたけど
ひょいっと上にあげられて
全く届かなくなってしまった
『返して下さいっ』
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