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【R18】Morning Glory Fizz【赤井秀一】

第5章 元気が出るおまじない




ほんとに沖矢さんって
気配を消して近づいてくるのが
うまいな…


いや、今は本に
集中していて
気がつかなかったのか?


どっちでもいいけど
泣いて落ち込んで
おでこにキスまでされた後だから
少し気まずさがある


沖「アガサ・クリスティですか
いい趣味をお持ちで…」


私の心情とは
全く関係のない事言ってくる


そんな沖矢さんに
少し感謝する


『面白いですよね、これ』


そう言いながら
本を元の位置に戻す


沖「また今度ゆっくり読んでください
夕飯が出来ましたので…」


そう言い
慣れた手つきで
左手を差し伸べられ
自分の右手を添えて
ぎゅっと握られる


この人は
手を握りながら歩くのが
好きなのかな…


沖「また迷子にならない為ですよ」


と、また読心術を使われた


『なんで…』


迷子になってたの
知ってるんですか?


と言おうとしたけどやめた


そりゃそうか
今の今までお風呂に入ってたら
逆上せて倒れているだろう


心配して様子を見に
来てくれたんだろうけど
そこに居なくて
ダイニングルームへ向かう途中に
迷子になったと
誰でも考察できる


沖「ゆっくり部屋の場所
覚えていきましょうね?」


と、言われながら
手を引いてくれた


『…はい』


ダイニングルームに着き
美味しそうな香りに包まれて
思わずお腹がぐぅーっと鳴る


沖「さ、食べましょうか」


お昼に座っていた位置に座り
頂きますと手を合わせ
食べ始める


今夜はお得意の肉じゃがだ


あの沖矢さんの煮込み料理を
口にすることが出来るとは…


感動しながら
しっかり味の染みた
じゃがいもを頬張る


『んー…美味しいっ』


こんな世界に飛ばされても
ご飯は美味しいと、しみじみ思う


沖「本当に美味しそうに食べますね」


『だって美味しいんですもん』


ふふっと微笑んだ





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