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【R18】Morning Glory Fizz【赤井秀一】

第5章 元気が出るおまじない




新しく買ってもらった
パジャマに着替えて
ドライヤーで髪を乾かす


鏡に映る自分の顔を見て
少し目が腫れてることに
気がつく


どんな顔して
沖矢さんと接すればいいんだろう


思いっきり泣きじゃくった
今日の私を恨む


恥ずかしい…


いい歳して人前で
子供みたいに泣いて
飽きれられていないだろうか


そんな事を考えていると
髪を乾かし終わる


軽くブローをして
洗面所を後にする


えーっと…ダイニングルームは…


あれ?こっちかな…














ーーーーーーーーーーーーーー


しばらく歩いても
中々ダイニングルームに
たどり着かないし
沖矢さんの姿も見当たらない


家の中で完全に迷子になる


とりあえず片っ端から
扉を開けてみる…


ある扉を開けると
見たことのある
大きな部屋を見つけた



『あ…ここ…』


まーるいドーム状の
本で埋め尽くされてる部屋


奥に机と座り心地が良さそうな椅子


例の書斎だ


ここで沖矢さんは
いつもバーボンを嗜んでいるのか


確かここの本は
ミステリー小説が殆どらしいけど…


と、本棚沿いに歩き
ゆっくりと物色する


ある本に目がいき
手に取る


『アガサ・クリスティの
"そして誰もいなくなった"』


懐かしいなぁ


なんて思いながら
床に座り込みペラペラと
ページをめくる


このお話は
とある島に年齢も職業も
異なる男女8人が招待され
2人の召使いを合わせた計10人が
順に殺害されていって
最後には誰もいなくなってしまう
そんなお話


話の展開が面白くって
どんどん読み進められ
物語の中へ引きずり込まれ
読み手も犯人探しをするだろう


現に私も犯人探しをした


最後にはタイトルの
"そして誰もいなくなった"を
見事に回収する


素晴らしい名作だと思う


そんな事を思いながら
ページをまたペラペラと
めくっていると


いつの間にか目の前に
立っていた沖矢さんに
声をかけられる


沖「こんな所にいたんですか」


探しましたよっと
付け加えられる


本を閉じて慌てて立ち上がる




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