【R18】Morning Glory Fizz【赤井秀一】
第43章 強い意志※
"俺の元に戻って来い"
秀一さんが言った言葉が
頭の中で反芻していた
部屋に戻ると
バーボンから返事が来ていて
今日は昼までポアロに居るから
午後に迎えに行くとの事らしい
昼頃にポアロに行くと
返事をした
その時、コンコン…
と部屋の扉をノックされた
『…はい』
部屋の扉が開く
この家には2人しか
住んでいないのだから
当たり前だけどノックの主は
秀一さんだった
赤「葵少し話をしようか」
『…私は話す事は…ありません』
ベッドに腰掛けていた私の
隣に秀一さんは腰掛ける
さっきの洗面所での事だろうか
『私は…秀一さんの元へ
戻るつもりはありませんっ』
ワンピースの裾を
ぎゅっと握って俯きながら言った
すると秀一さんは
私の頭をぽんぽんと撫でた
赤「…大体の予想はついた
もう1人じゃ駄目だと思ったら
俺に頼ればいい
いつでも戻っておいで」
優しい口調で言われた
秀一さんは私の事なんて
お見通しなんだ…
涙がポタポタと溢れた
秀一さんは優しく私の体を
腕の中に包んでくれた
私は何も言えなかった
バーボンに身体を許した
こんな汚い私はただただ
秀一さんの腕の中で泣いた
涙が落ち着いた頃
赤「朝食くらいは
一緒に食べてくれてもいいだろ?」
と秀一さんに言われた
私はその言葉に
頭を上下に振った
赤「…よし、
作ってる間、顔洗っておいで」
頭をわしゃわしゃ撫でられた
顔を洗いに行って
ダイニングルームに移動した
トーストに目玉焼きにサラダ
それに秀一さんが淹れてくれたコーヒー
外国の朝食って感じのものが
並べられた
向かい合わせになって
食べ始める
『…美味しいですっ』
何だか久々にこうやって
一緒に食事する気がして
思わず微笑んだ
赤「葵は笑顔の方が似合う」
そう言われて
早くこの平穏な時間を
取り戻さなければ
何か策を考えなければと思った
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